協働推進・市民社会づくり自治体職員の皆様へ
多様なコミュニティ像を描く
阿部圭宏(市民活動・NPOコーディネーター)
「コミュニティ再生を考える場合に、そこに描かれるコミュニティ像はどういうものであるのか。従来、コミュニティと呼ばれるものは、自治会・町内会が中心で、その規模、成り立ち、役割、役員構成、会費、活動内容などは千差万別である。隣の自治会との運営が全く違うということはよくある話だ。自治体が協働の相手として考えるコミュニティ像は、こうした自治会・町内会に収れんしてしまって、コミュニティ側にも行政からの多大な要求に耐えられなくなっている地域もある。
そこで、最近特に注目されているのが地域自治組織である。地域自治組織は、一定エリアを設定した住民が担う自治の仕組みであり、その基本は「小さな自治」である。それは「住民が日常生活を営む上で共同して取り組む必要のある仕事を、その総意に基づき、自分たちで取り決め行っていくこと」(群馬県政策研究会報告書「小さな自治システムの研究」、2002.3)とされている。
多くの地域自治組織が全国にできている中で、地域振興会、まちづくり協議会、まちづくり委員会、住民自治協議会などのさまざまな名称が使われ、対象とする地域も小学校区、公民館区、中学校区と多様である。地域自治組織は、既存の自治会やその連合組織を中心に運営を行ったり、行政と密接不可分の関係にあるということから事務局を行政職員が担当しているものなど、さまざまなタイプのものがある。また、条例等で地域自治組織を認定しているケースもある。その意味では、地域自治のシステムはまだまだ模索段階であり、今後の各地での経験の積み重ねが必要となっている。
地域自治組織は、NPOとコミュニティ組織との中間に位置する組織体であり、私はこれを「地域NPO」と呼んでいる。具体的に、地域自治組織が立ち上がることにより、福祉、環境、子育て、安心安全など、多岐にわたるまちづくり活動が期待され、自治が進展するものと思われる。
こうした地域自治組織が行政とっても重要な位置づけとなり、地域課題を解決するための協働の新たなパートナーとなっていくだろう。その場合、地域自治組織のみをパーt-ナーと考えるのではなく、多様なコミュニティ組織のうちの一形態なのでという認識が必要である。





