協働推進・市民社会づくり自治体職員の皆様へ
この10年で協働はどれだけ進んだか
阿部圭宏(市民活動・NPOコーディネーター)
この12月でNPO法施行10年を迎える。この間、NPOに対する理解は非常に進み、法人数もすごい勢いで伸びている。こうした動きを見ながら、行政はNPOとの協働を進めてきた。ただ、自治体の協働への取り組みは、自治体で取り組まれてきた期間や協働の内容等に大きな違いがあるため、協働がどれだけ進んでいるかは、個々の自体体の状況を細かく見ていく必要がある。
まちづくり基本条例や協働条例を制定して基本的な仕組みを整えたり、協働の指針を策定したり、あるいは総合計画で協働を基本理念等に位置づけたりと、協働に取り組むためには、とにかくまず態勢を整えることが肝要である。ルールのない状況での協働は、かえって混乱を引き起こし、行政にとってもよくない状況を生み出す危険性がある。では、条例や指針ができたから、それをもって協働が進んでいるとか、協働が積極的に行われているとは限らない。 例えば、滋賀県では、「しが協働モデル研究会」をNPOと行政が協働でつくり、報告をまとめ、それを協働の指針としながら進めてきた。その報告では、協働を進めるための仕掛けをいくつも用意しているが、実際に行政が取り組んでいるのは、ごく一部であり、しかも協働担当課のみが旗を振り、全庁的な取り組みとなっていない。自治体の中には、各課に協働推進員などの名称を付けて、全庁的に協働を推進しようというところもある。しかし、せっかく協働推進員を設置しても、その役割が明確でなく、残念ながら機能を果たせていないケースが多いと言える。
協働を推進するための仕組みは整いつつも、協働の推進状況は、まだまだ緒についたというのが実態だろう。これは市民と行政との間の協働への認識の違いが大きいのかもしれない。NPOのような自発的な組織は、ミッションに掲げる課題解決のためにまさに行政と協働したいという意識が強いのに対し、行政には課題解決という意識が低いような気がする。行財政改革、地方分権の推進など、自治体をめぐる状況が変わってきているにもかかわらず、組織変革がなかなか進まないのは、協働が進んでいない状況とパラレルな関係にあるような気がする。





